20世紀の初頭、半島から海を越えて日本に渡って来た人々は、留学生や季節労働者、政治的な理由により難を逃れて来た人々数百人の少数に過ぎなかった。やがて植民地統治下になり、土地を奪われ農民たちは零落、生活の糧を求めて海峡を越えてやって来た人達が増えて行く様になった。戦時中には労働力を補為に多くの人々が徴用や募集に依って玄界灘を渡った。その数は終戦時には200万人近くにも達していた。解放後、徴用や募集で渡って来た人達の多くは祖国に戻る事が出来たが、経済的な理由、政治的情勢的な事情により残るざる追えなかった人達が60万人ほど日本に在留する事になった。一世たちは戦前、戦中、戦後と多難の時代を生き抜き、また政治的にも翻弄されて来たが、この異郷の地に根を降ろして生きる逞しい姿がそこにあった。在日を取巻く状況は多種多彩な様相を帯びているが、一世たちの記憶を脳裏に焼付けて置きたい。










