中国東北部の東端にある吉林省延辺朝鮮族自治州は、東はロシアの沿海州と、南は図們江(豆満江)を隔てた朝鮮民主主義人民共和国と国境線で接している。中国朝鮮族の集中居住区である。広さは4万2000平方キロで、総人口197万のうち朝鮮族80万人、漢族112万人、ほかに満族、回族などの少数民族が居住している。新中国の誕生後、少数民族政策の基で最初の民族自治州とし設立して、朝鮮族が主体となって民族区域自治の行政を行っている。中でも延吉は朝鮮族の首都とも呼ばれ、文化、芸術、教育、の中心地である。「古い朝鮮を見たければ延辺に行け」言われるほど固有の文化、習慣が彼等ら自身で伝統を継承し続けている。しかし改革開放路線が進行する中でいま、若者たちの流出が止まらないという。韓国や日本、中国都市部の韓国企業に職を求め離れて行き、少数数民族56民族の中で唯一人口が減少している。